賃貸ビジネスをとりまくリスク

賃貸ビジネスをとりまくリスクには、どのようなものがあるのか、いくつか例を挙げます。

(a)賃貸ビジネス用の物件に入居者がいない状況が続き、家賃収入が入ってこない(空室率が高いことによる収入減)。

※対策は、「入居者が早期に決まるための手立て」と「各種コスト抑制策」。

(b)賃貸仲介会社(A社)に入居者募集を依頼したが、なかなか入居者が決まらないので、「他の賃貸仲介会社(B社)にも仲介を依頼したい旨」を、賃貸仲介会社(A社)に伝えると、「当面は、家主(あなた)が他の賃貸仲介会社に仲介を依頼することはできない状態。賃貸仲介業務を専任契約として対応している。うち(賃貸仲介会社)は広告も出して、費用も発生している」と言われた。このままこの賃貸仲介会社(A社)にしか、賃貸仲介を依頼できないのか?

※ 不動産仲介会社と専任契約を締結するしないの判断を明確に伝えておき、その記録をとっておく。専任契約を締結する場合は、解約の条件(事前通知の期間はどれぐらいか、どのような場合にどれだけの違約金が発生するか等)を賃貸仲介会社への依頼前に確認しておく必要あり。

(c)わたし(貸主)のエアコンを残したまま、新しく入居者が入居し、その際、入居者には「まだ使えるのでどうぞ自由に使ってください」と伝えた。その後、入居者から「エアコンが故障したので修理するか、新しく買い替えてほしい」との連絡があった。入居前から設置していたもので、特にほかで使用することもなく、捨てるのがもったいないため、入居者に使ってもらえればと思い、そのま設置したままにしていたのだが、入居後にエアコンが故障した場合も、家主が修繕責任があると言われた。

※ 実はこれはよくある話です。撤去しておき、かつ、賃貸借契約書に関連の規定をしておくことでリスクを抑制できます。

(d)入居者が決まり、入居して半年経つが、マンションの他の入居者とのトラブルが絶えない。

※ このような場合の取扱いを「賃貸借契約書」に記載しておくことで、「実際にそのような場合の措置をどうするか」が明確になりますし、それを入居者に事前に書面で知らせ署名してもらっておくことで心理的な抑制効果が期待できます。

(e)入居者が退去する際に、退去立ち会いしたが、部屋にタバコのヤニの臭いや、動物の臭いがした。入居者は、「この臭いへの対処費用は負担しない」という一点張り。次の入居者募集を急いで開始したいので、入居希望者の物件内覧までに、業者にお願いして臭いの除去をしたいが、費用負担について前の入居者との決着が完了するか不安。

※ 事前に「賃貸借契約書」の取り交わしと「入居時の現状確認書」を借主に記入、署名してもらっておくことでリスクを抑制できます。

(f)入居者が退去する際に、退去立ち会いを行い、入居時に無かったはずの床の大きな凹みを見つけたが、入居者からは「入居前からこの凹みはあったので、修繕費用負担しない」と言われた。修繕費用は貸主であるわたしが負担することになるのか?

※ これも、事前に「賃貸借契約書」の取り交わしと「入居時の現状確認書」を借主に記入、署名してもらっておくことでリスクを抑制できます。

(g)入居後、借主がその物件を会社の事務所として利用していて、日中もいろんな人が出入りする。住居用として賃貸に出したはずだが、どうすればいいのか?

※ これも、事前に「賃貸借契約書」を取り交わしておくことでリスクを抑制できます。

トラブルが発生した後のリカバリー対応として、「トラブル対応(トラブル・シューティング)」が注目されることもありますが、トラブルは起こってからの対応よりも、未然に防ぐ方がずっと効率的です。また、コントロールせずにリスクを放置したままだと、想定外の遠慮無しのタイミングで暴発的に、リスクが発現してしまい、副業として不動産投資ビジネスをしている者にとっては、かなり厄介です。(本業の)就業中に会社のトイレや会議室に隠れて、こっそり不動産業者に電話したり・・・。ということになっては、本末転倒ですね。

本業に悪影響を与えず、要領よく儲けるための「リスクの洗い出し」と「リスク施策」

サラリーマンであるわたし自身、副業としての「不動産賃貸ビジネス」を始めるにあたって志向したのは、「大儲けはしなくとも、対応に手間のかかるトラブルを避けながら、そこそこの利益を得たい」、「願わくば、手順のステップごとの留意点やチェックポイントを定型化して、迷いなく要領よく対応できるためのノウハウを得る」ということでした。

トラブルを未然に回避するためのポイントを机上で書き出しながら、注意しておそるおそる進めていっても、やはりそれでも想定外の問題が発生することがあります。始める前に想定していなかった問題が起こるのは、何も不動産投資ビジネスだけのことではないですが。

苦労してきた点、失敗してきた点がたくさんありますが、やはりポイントとなるのは、「リスク管理」であり、副業としての「不動産賃貸ビジネス」では、これが特に重要だと考えています。

「リスク管理」は、まずは、どのようなリスクがあるかを認識することから始まります。

そして、それらのリスクを無くせないか、減らせないか、リスクを抑制、コントロールすることを目指していくのが筋道です。

以降、これらのリスクの発生を回避あるいは抑制するための手立てについてご紹介いたします。

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