「入居者の退去立会い」から「次の入居者の入居前の修繕対応」までの流れ

ここでは、【「入居者の退去立会い」から「次の入居者の入居前の修繕対応」までの流れ】について、私の手法・手順をご紹介させていただきます。今回退去する方が入居時から退去までの期間に発生した『傷や不具合の有無、有る場合の程度』を確認し、その修繕に要する費用負担を借主が負うかどうかの見定めが重要な目的です。その他、入居時に借主に貸与した鍵や、設備の使用説明書等を、返してもらうのも退去立会いの重要な目的です。

(1)まずは、「退去立会い」の日程の確定。「退去立会い」では、「オーナーである自身(貸主)」と、「借主(たいていは入居者本人)」が同じ場所に居合わせて、物件の状況確認のうえで、「退去時の現状確認書」に、借主に署名してもらいます。この時に、「オーナーである自身(貸主)」と、「借主(たいていは入居者本人)」だけでなく、「あなたが選定した修繕業者さん」と「あなたが次の入居者を募集する際に依頼する予定の賃貸仲介業者さん」にも、退去に立ち会ってもらうのがスムーズだと思いますし、私自身、日程を調整してもらってでも、そのように手配しています。

※ 賃貸借契約が法人契約場合、入居者本人ではなく、「入居者の勤務先の会社がアウトソーシング(外注)している管理会社」が「借主」となっていることがほとんどです。この場合、「退去時の物件の現状確認」は、「借主」が入居者一任することが多いですが、その点について、退去届を入手した時点で、「貸主」であるあなたから「借主」に確認する必要があります。

※ 冷蔵庫やソファーなどの家具等の物が無い状態でないと、退去時の物件の現状(傷や不具合の有無、有る場合の程度)の見定めができません。ですので、実際には、引越し業者さんが物を搬出していくなかで、搬出が完了した部屋や箇所から、「退去時の物件状況確認」をするケースが多いと思います(この場合、引越し搬出作業中に、床や壁紙損傷する場合もあるので、注意必要)。実際、わたしの物件の退去立会いはたいてい引越しの日に行うことがほとんどです(入居者自身が、引越し当日に次の転地へ行ってしまうため)。

※ 一番いいのは、「引越し日」と「あなた(サラリーマン)の休みの日」が重なり、その日に「退去立会い」を設定し、「あなたが選定した修繕業者さん」と「あなたが次の入居者を募集する際に依頼する予定の賃貸仲介業者さん」にも立会っていただくことです。

※ 要領を得た修繕業者さんは、オーナーの立場をふまえて、「この部分の修繕工事費用は、・・・という理由で、借主さんに費用負担いただくことになる」ことを借主(あるいは入居者)に伝えてくれるのですが、私場合は、退去立会い前に、修繕業者さんにその進め方をお願いしたい旨を伝えておくようにしています。

(2)退去立会いの当日に、修繕業者さんに物件の状況を見てもらいます。修繕する箇所のうち、借主に負担してもらう箇所をその場で借主(あるいは、「退去立会い」を一任されている入居者)に同意してもらう。これが非常に重要です。

※ 私の場合、このタイミングで、借主(あるいは入居者)から、貸与している鍵や設備説明書等を返却してもらっています。そして、その場で、【入居時に借主(入居者)に署名してもらった「預かり書」の写し(コピー)】に、これらの物を確かに返却してもらった旨を私が手書きで書いて、持ち帰りスキャンしたPDFファイルを、当日じゅうに借主(入居者)へメール添付して送っています。

(3)「退去立会い」の後、退去者がいない場所で、「修繕業者さん」と「賃貸仲介業者さん」と「オーナーである自身(貸主)」の三者で、今後のスケジュール(時間軸)について打ち合わせをします。修繕業者さんに、「修繕発注後、修繕が完了するまでどれぐらいの日数がかかるか」、「修繕工事に必要な『水・電気』の使用期間」を確認しつつ、賃貸仲介業者さんに対しては、入居可能時期と賃貸募集条件を伝えたうえで、「修繕工事が未完了でも、可能な範囲で速やかに、入居者募集の開始や、希望者への物件内覧を進めてもらう」ことを伝えます。また、「入居者の審査」、「入居者による保証会社との保証契約」、「賃貸借契約書の取り交わし」、「入居者からの入金確認」と並行的に、入居者がほぼ確定し、かつ、その後、修繕業者さんや内覧希望者が物件内に立ち入ることが無くなった時点で、「カギの交換工事」と「新しい入居者の入居前の部屋クリーニング(私の場合外注)」が必要です。

(4)修繕業者さんからの見積もり書の入手

※ 「どのような部材がどれだけ(壁紙の面積等)必要か」、「修繕工事に何日要するか」から、理にかなった見積もりかを吟味。部材の相場等をネット情報で確認。あまりにも相場よりも高い場合は、業者さんに確認、場合によってはネゴ交渉や、他の業者さんに相見積もりをとって比較検討。

(5)修繕業者さんへの工事発注。

※ 私の場合、この時点で、当該物件の鍵を、賃貸仲介業者さんへお預けしています。目的は、「修繕業者さんへの鍵預けを賃貸仲介業者さん経由とすることで、自身(オーナー、貸主)の手間を省くため」と「賃貸希望者への当該物件内覧に速やかに対応してもらうためです。

※ 私はこのタイミングで、修繕工事に必要な「水・電気」の使用契約を自身の名義で済ませています。

(6)マンション管理人さんへ工事日程と修繕業者さんの会社名を伝えて、(マンションの管理規約に従って)マンションの他の入居者へ工事日程を告知。また、賃貸に出すので、賃貸仲介業者さんや内覧希望者もマンション立ち入ることがあることを事前に伝えておきます。

(7)修繕工事完了後に、貸主(オーナー)自身で工事完了状況を確認(工事の検収)。

(8)修繕工事完了後に、修繕業者さんへ速やかにお支払い。

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